(厚生労働省「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」より)
介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護)
介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となっても、当該有料老人ホームが提供する特定施設入居者生活介護を利用しながら当該有料老人ホームの居室で生活を継続することが可能です。(介護サービスは有料老人ホームの職員が提供します。特定施設入居者生活介護の指定を受けていない有料老人ホームについては介護付と表示することはできません。)
介護付有料老人ホーム(外部サービス利用型特定施設入居者生活介護)
介護等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となっても、当該有料老人ホームが提供する特定施設入居者生活介護を利用しながら当該有料老人ホームの居室で生活を継続することが可能です。(有料老人ホームの職員が安否確認や計画作成等を実施し、介護サービスは委託先の介護サービス事業所が提供します。特定施設入居者生活介護の指定を受けていない有料老人ホームについては介護付と表示することはできません。)
住宅型有料老人ホーム(注)
生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等の介護サービスを利用しながら当該有料老人ホームの居室での生活を継続することが可能です。
健康型有料老人ホーム(注)
食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。介護が必要となった場合には、契約を解除し退去しなければなりません。
(注)特定施設入居者生活介護の指定を受けていないホームにあっては、広告、パンフレット等において「介護付き」、「ケア付き」等の表示を行ってはいけません。
有料老人ホームの表示事項
居住の権利形態(下のいずれかを表示)
利用権方式
建物賃貸借契約及び終身建物賃貸借契約以外の契約の形態で、居住部分と介護や生活支援等のサービス部分の契約が一体となっているものです。
建物賃貸借方式
賃貸住宅における居住の契約形態であり、居住部分と介護等のサービス部分の契約が別々になっているものです。入居者の死亡をもって契約を終了するという内容は有効になりません。
終身建物賃貸借方式
建物賃貸借契約の特別な類型で、都道府県知事から高齢者の居住の安定確保に関する法律の規定に基づく終身建物賃貸借事業の認可を受けたものです。入居者の死亡をもって契約を終了するという内容が有効です。
利用料の支払い方式(注1・注2)
全額前払い方式
終身にわたって受領する家賃又はサービス費用の全部を前払金として一括して受領する方式
一部前払い・一部月払い方式
終身にわたって受領する家賃又はサービス費用の一部を前払いとして一括受領し、その他は月払いする方式
月払い方式
前払金を受領せず、家賃又はサービス費用を月払いする方式
選択方式
入居者により、全額前払い方式、一部前払い・一部月払い方式、月払い方式のいずれかを選択できます。どの方式を選択できるのかを併せて明示する必要があります。
入居時の要件(下のいずれかを表示)
入居時自立
入居時において自立である方が対象です。
入居時要介護
入居時において要介護認定を受けている方(要支援認定を受けている方を除く)が対象です。
入居時要支援・要介護
入居時において要支援認定又は要介護認定を受けている方が対象です。
入居時自立・要支援・要介護
自立である方も要支援認定・要介護認定を受けている方も入居できます。
介護保険(※※に都道府県名を入れて表示)
※※県(市)指定介護保険特定施設(一般型特定施設)
介護が必要となった場合、当該有料老人ホームが提供する特定施設入居者生活介護サービスを利用することができます。介護サービスは有料老人ホームの職員が提供します。(注3)
※※県指定介護保険特定施設(外部サービス利用型特定施設)
介護が必要となった場合、当該有料老人ホームが提供する特定施設入居者生活介護サービスを利用することができます。有料老人ホームの職員が安否確認や計画作成等を実施し、介護サービスは委託先の介護サービス事業所が提供します。(注3)
在宅サービス利用可
介護が必要となった場合、介護保険の在宅サービスを利用するホームです。
居室区分(右のいずれかを表示。※には1~4の数値を表示)(注4)
全室個室
介護が必要となった場合に介護サービスを利用するための一般居室又は介護居室が、すべて個室であるホームです。(注5)
相部屋あり(※人部屋~※人部屋)
介護居室はすべてが個室ではなく、相部屋となる場合があるホームをいいます。
一般型特定施設である有料老人ホームの介護にかかわる職員体制(右のいずれかを表示)(注6)
1.5:1以上
現在及び将来にわたって要介護者3人に対して職員2人(要介護者1.5人に対して職員1人)以上の割合(年度ごとの平均値)で職員が介護に当たります。これは介護保険の特定施設入居者生活介護の基準の2倍以上の人数です。
2:1以上
現在及び将来にわたって要介護者2人に対して職員1人以上の割合(年度ごとの平均値)で職員が介護に当たります。これは介護保険の特定施設入居者生活介護の基準の1.5倍以上の人数です。
2.5:1以上
現在及び将来にわたって要介護者5人に対して職員2人(要介護者2.5人に対して職員1人)以上の割合(年度ごとの平均値)で職員が介護に当たります。これは介護保険の特定施設入居者生活介護で、手厚い職員体制であるとして保険外に別途費用を受領できる場合の基準以上の人数です。
3:1以上
現在及び将来にわたって要介護者3人に対して職員1人以上の割合(年度ごとの平均値)で職員が介護に当たります。介護保険の特定施設入居者生活介護のサービスを提供するために少なくとも満たさなければならない基準以上の人数です。
外部サービス利用型特定施設である有料老人ホームの介護サービス提供体制(※に職員数、※※※※※に介護サービス事業所の名称を入れて表示)(注7)
有料老人ホームの職員※人
委託先である介護サービス事業所
訪問介護※※※※※※
訪問看護※※※※※※
通所介護※※※※※※
有料老人ホームの職員が安否確認や計画作成等を実施し、介護サービスは委託先の介護サービス事業所が提供します。
その他(下に該当する場合にのみ表示。※※※に提携先の有料老人ホームを入れて表示)
提携ホーム利用可(※※※ホーム)
介護が必要となった場合、提携ホーム(同一設置者の有料老人ホームを含む)に住み替えて特定施設入居者生活介護を利用することができます。(注8)
注1)老人福祉法の改正を受けて、従来は「一時金」「一時金方式」と記載していた項目については「前払金」「前払い方式」と修正していますが、当面の間、広告、パンフレット等において「一時金」「一時金方式」という表現を使用することも可能です。なお、「前払金」については、家賃又はサービス費用の前払いによって構成されるものであることから、その実態を適切に表現する名称として、広告、パンフレット等の更新の機会に応じて、順次、「前払金」という名称に切り替えるようにすることが望ましいものと考えます。
注2)「前払金方式(従来の一時金方式)」については、「家賃又はサービス費用の全額を前払いすること」と、「家賃又はサービス費用の一部を前払いし、一部を月払いすること」では、支払方法に大きな違いがあることから、前者を「全額前払い方式」とし、後者を「一部前払い・一部月払い方式」としています。当面の間、広告、パンフレット等において、従来どおり「一時金方式」という表現を使用することも可能ですが、その場合であっても、入居希望者・入居者への説明にあっては、家賃又はサービス費用の全額を前払いする方式なのか、一部を前払いする方式なのかを、丁寧に説明することが望ましいものと考えます。
注3)入居者が希望すれば、当該有料老人ホームの特定施設入居者生活介護サービスに代えて、訪問介護等の介護サービスを利用することが可能です。
注4)一般居室はすべて個室となっています。この表示事項は介護居室(介護を受けるための専用の室)が個室か相部屋かの区分です。従って、介護居室を特に設けず、一般居室において介護サービスを提供する有料老人ホームにあっては、「個室介護」と表示することになります。
注5)個室とは、建築基準法第30条の「界壁」により隔てられたものに限ることとしていますので、一の居室をふすま、可動式の壁、収納家具等によって複数の空間に区分したものは個室ではありません。
注6)介護にかかわる職員体制は、当該有料老人ホームが現在及び将来にわたって提供しようと想定している水準を表示するものです。従って、例えば、現在は要介護者が少なく1.5:1以上を満たす場合であっても、要介護者が増えた場合に2.5:1程度以上の介護サービスを想定している場合にあっては、2.5:1以上の表示を行うことになります。なお職員体制の算定方法については、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」第175条第1項第2号イ及び同第2項の規定によります。なお、「1.5:1」、「2:1」又は「2.5:1」の表示を行おうとする有料老人ホームについては、年度ごとに職員の割合を算定し、表示と実態の乖離がないか自ら検証するとともに、入居者等に対して算定結果及びその算定方法について説明することが必要です。
注7)訪問介護、訪問看護及び通所介護以外のサービスについて、委託先のサービス事業所がある場合には、サービス区分及びサービス事業所の名称を表示することが必要です。
注8)提携ホームには、介護老人保健施設、病院、診療所、特別養護老人ホーム等は含まれません。