(ご本人からの質問)
介護付有料老人ホームに入居しているが、介護にかかわる職員体制は2:1以上で、そのための上乗せ介護サービス費を支払っている。
ホームからこの費用を要介護度に関係なく一律に値上げすると言われた。一律に値上げするのではなく、要介護度別に設定するべきではないのか。
≪相談者に対する苦情対応委員会のコメント≫
特定施設入居者生活介護の職員配置は要介護度ごとに設定するものではなく、利用者総数に対して3:1の配置が基準配置であって、加えて2.5:1以上の過配置の場合に利用者から「上乗せ介護サービス費」を受領できることとされています。従って、要介護度ごとに上乗せ費用を定めることとなっていません。また、厚生労働省の通知(老企第52号)において、恣意的な算定により利用者間に不公平が生じることのないよう留意することが規定されています。
~入居を検討している方へ~≪トラブル回避のためのチェックポイント≫
上乗せ介護サービス費が設定されている場合は、重要事項説明書の「職員体制(特定施設入居者生活介護等の提供体制)」で、契約上の職員配置比率が2.5:1以上となっているかを確認しましょう。
(参考)
特定施設入所者生活介護事業者が受領する介護保険の給付対象外の介護サービス費用について(平成12年3月30日付け老企第52号厚生省老人保健福祉局長企画課長通知)
https://www.yurokyo.or.jp/kakodata/system/insurance/pdf/insurance_vol435_19.pdf
有料老人ホーム設置運営標準指導指針 11利用料等⑴三号 ニ
ニ 介護付有料老人ホームにおいて、手厚い職員体制又は個別的な選択による介護サービスとして介護保険外に別途費用を受領できる場合は、「特定施設入居者生活介護事業者が受領する介護保険の給付対象外の介護サービス費用について」(平成12年3月30日付け老企第52号厚生省老人保健福祉局長企画課長通知)の規定によるものに限られていることに留意すること。
有料老人ホーム設置運営標準指導指針11利用料等(2)四号
四 サービス費用の前払金の額の算出については、想定居住期間、開設後の経過年数に応じた要介護発生率、介護必要期間、職員配置等を勘案した合理的な積算方法によるものとすること。ただし、サービス費用のうち介護費用に相当する分について、介護保険の利用者負担分を、設置者が前払金により受け取ることは、利用者負担分が不明確となるので不適当であること。
有料老人ホームにおける家賃等の前払金の算定の基礎及び返還義務の金額の算定方法について
(平成二十四年三月一六日厚労省老健局高齢者支援課事務連絡)
https://www.yurokyo.or.jp/kakodata/member/sec/institution/pdf/20140604_01_04.pdf
景品表示法指定告示第9項
https://www.yurokyo.or.jp/kakodata/member/sec/pdf/20120404_01.pdf