(ご本人からの質問)
夫婦ともに元気な状態で、夫婦用居室に入居した。その後、主人が要介護となり1人で介護居室に住み替えとなった。夫婦居室では広すぎるので、自分も狭い居室への住み替えを希望したが、ホームから住み替えはできないと言われた。入居者が希望した場合、ホームは居室の住み替えに応じなければいけない等の法令はないのか。
≪相談者に対する苦情対応委員会のコメント≫
入居者が希望する場合の居室の住み替えについては、入居契約書に規定していない限り、法令上はホームに応じる義務はありません。
~入居を検討している方へ~≪トラブル回避のためのチェックポイント≫
入居者側の理由で居室の住み替えを行う場合は、入居契約書に規定があれば、それによりますし、規定がなければ改めて契約を結ぶことが一般的です。住み替えについての規定がどのようになっているか確認することが大切です。お元気なうちから入居する場合は長期的な利用となりますので、居室の選択にあたって、最後までその居室で生活することをイメージし、夫婦用居室がよいのかを含め広さや階数などを決めてください。
(参考)
有料老人ホーム設置運営標準指導指針(老発 0401 第 14 号 令和 3 年 4 月 1 日)
12 契約内容等
⑵ 契約内容
六 一定の要介護状態になった入居者が、一般居室から介護居室若しくは提携ホームに住み替える契約の場合、入居者が一定の要介護状態になったことを理由として契約を解除する契約の場合、又は、介護居室の入居者の心身の状況に著しい変化があり介護居室を変更する契約の場合にあっては、次の手続を含む一連の手続を入居契約書又は管理規程上明らかにしておくこと。また、一般居室から介護居室若しくは提携ホームに住み替える場合の家賃相当額の差額が発生した場合の取扱いについても考慮すること。
イ 医師の意見を聴くこと。
ロ 本人又は身元引受人等の同意を得ること。
ハ 一定の観察期間を設けること
景品表示法指定告示 有料老人ホームに関する不当な表示
(居室の利用についての表示)
5 有料老人ホームの入居者の居室についての表示であって、次の各号の一に該当することがあるにもかかわらず、そのことが明りょうに記載されていないもの
一 入居者が当初入居した居室から他の居室に住み替えること
二 入居者が当初入居した居室から他の居室に住み替える場合に、住み替え後の居室の一人当たりの占有面積が当初入居した居室の一人当たりの占有面積に比して減少すること
三 入居者が当初入居した居室から他の居室に住み替える場合に、当初入居した居室の利用に関する権利が変更又は消滅すること
四 入居者が当初入居した居室から他の居室に住み替える場合に、入居者が住み替え後の居室の利用に関し、追加的な費用を支払うこと
五 入居者が当初入居した居室から他の居室に住み替える場合に、当初入居した居室の利用に関する費用について、住み替えによる居室の構造若しくは仕様の変更又は住み替え後の居室の一人当たりの占有面積の減少に応じた調整が行われないこと