個人のお客様・消費者向けサイト

文字サイズ変更

背景色変更

03-5207-2763

月~金曜日(祝日、年末年始を除く)午前10時~午後5時

お問い合わせフォームのアイコン

メニュー

お問合せはこちら:03-5207-2763

文字サイズ変更

背景色変更

※当サイトは、WebアクセシビリティJIS X 8341-3 (WCAG 2.0)に準拠しています。

お知らせ

生前贈与について~暮らしに役立つ情報~

暮らしに役立つ情報

生前贈与

相続税の節税対策にはどのような方法があるのでしょうか。節税対策の一つとして「生前贈与」について、大光税理士法人 税理士 玉川正也先生に解説いただきます。

▶終活

近年よく見たり聞いたりする「終活」という言葉があります。定義を辞書で調べると、「人生の終末を迎えるにあたり、延命治療や介護、葬儀、相続などについての希望をまとめ、準備を整えること。」とあります。

人生の終末に備えなさいと言われると、大きなお世話だし人生の終わりがちかいと言われているようだと憤慨される方もいます。また、生きているうちから死を意識するのは縁起が悪いとマイナスのイメージを持ちがちですが、人生はいつか終わりますし、その時がいつなのかは誰にもわかりません。

縁起でもない話は元気なうちでないとできません。人生の終わりを意識して日々生きる生き方をすることが、その後の人生をより豊かに安心にするのではないでしょうか。

そこで以下では相続税と贈与税のことを少し見ていきたいと思います。

▶相続税と贈与税の関係

被相続人(亡くなった人)の遺産が相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えると相続人等に相続税が課税されます。そこで配偶者や子ども、孫などに生前に財産を贈与し、相続開始時点での財産を減らすことにより、相続税を回避することが可能になっています。

極端には財産の合計額をゼロや、基礎控除額以下にすることも可能です。

しかし、過度な相続税対策を規制するために贈与税が設けられています。

このことを贈与税が相続税を補完する税といわれています。

したがって、贈与税は、相続税よりも高い税率で累進課税される仕組みになっています。

しかし、贈与者と受贈者の契約により、いつでも贈与できるので目的を達成するために生前贈与を利用することは検討してもよいと思います。

贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあります。受贈者(贈与を受けた方)は贈与者(贈与をした方)ごとにそれぞれの課税方法を選択することができます。暦年課税の贈与税の速算表を末尾に掲げました。

「暦年課税」は、1年間(1月1日~12月31日)に贈与を受けた財産の合計額を基に贈与税額を計算するものです。「相続時精算課税」は、親子間などの贈与で一定の要件(省略)に当てはまる場合に選択できる制度です。受贈者の選択により、贈与時に贈与財産に対する贈与税を支払い、その後の相続時にその贈与財産と相続財産とを合計した価額を基に計算した相続税額から、すでに支払った贈与税を控除することにより贈与税と相続税を通じた納税ができる制度です。

▶相続開始前3年以内に贈与された財産の取扱い

被相続人の死亡前3年以内に相続人や受遺者が被相続人から贈与を受けた財産がある場合は、その財産は相続税の課税財産に取り込まれることになっています。

 3年以内に贈与された財産を含めて相続税が計算されたら、贈与された財産について納めた贈与税は相続税から控除されます。

 なお、贈与税の基礎控除額である年間110万円以下の贈与であっても、課税財産に加算しなければなりません。これは相続開始前の駆込み贈与を抑制するためです。

 この相続開始前3年以内の贈与財産の相続財産への加算は、相続や遺贈で財産を取得した人を対象とするもので、それ以外の人には適用されません。

 相続開始が近いと考えられる場合は、法定相続人以外の親族(たとえば孫など)への贈与を検討することもよいと思います。

 祖父母から孫へ贈与した場合には、親から子への相続税、子から孫への相続税は、いずれも課税はありません

 贈与を受けた者が、幼少な孫の場合は贈与した後の資金などを祖父母が管理することなく管理は親権者である父母に委ねることが望ましいです。

▶令和5年度税制改正大綱(相続前贈与の加算期間の延長)

ここ数年、贈与税について、暦年課税がなくなるのでは?と言われていましたがなくなりませんでした。

 相続開始前に被相続人から贈与を受けたことがある場合の相続税の課税価格への加算期間(現行3年)を、相続の開始前7年以内に延長する。緩和措置として延長する4年間に受けた贈与については、その財産の価額の合計額から100万円を控除した残額を相続税の課税価格に加算する。

加算期間が3年から7年になるとどうなるのか。相続開始が近くなってから贈与を始めても効果が乏しくなります。元気なうちに子どもや孫に贈与(贈与し過ぎないように)してもよいかもしれません。

▶有効活用方法

 受贈者はなるべく多く、基礎控除額にこだわらない、そして贈与は毎年することができますので、なるべく早い時期から贈与していくことがよいのではないでしょうか。

プロフィール

大光税理士法人(東京都新宿区) 税理士 玉川 正也

・平成7年7月 税理士登録

・平成13年8月 林徳一公認会計士事務所(大光税理士法人の法人成前)入所

・平成19年1月 理事・社員税理士

・平成30年6月 理事長・代表社員税理士

・現在に至る

この記事は参考になりましたか?