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有老協・シルバー川柳

「第23回有老協・シルバー川柳」入選作発表

 当協会が、毎年「敬老の日」に向け公募している「有老協・シルバー川柳」の今年の入選作品が決定いたしました。今年で23回目を迎えた「有老協・シルバー川柳」には、11,083句が寄せられ、20作品が入選しました。また、今年は新たに有老協賞を1作品選出しました。
※有老協賞とは、入選作同様老いを元気に楽しめる内容で、かつ有料老人ホームの生活をテーマとした作品から選出しています。

 応募者の男女比は男性が64.6%、女性34.9%と、昨年に続き男性の割合が増えています。コロナ関連の句は少なくなり、「異次元」「闇バイト」「AI」などニュースや情報番組に頻繁に登場するキーワードを詠んだ作品が多く寄せられました。(公募期間:2023年2月13日~5月31日)

日常のちょっとした出来事。

ユーモアを交えてチクッと一言添えた一句に思わず納得。

今回も、高齢者目線ならではの暮らしの視点に

感心したり、ほっこりする秀逸な作品が集まりました。

(有老協 選考委員会)

順不同・敬称略

■有老協賞

リハビリに ビリは嫌よと 精を出し

青木 知子(東京都、92歳、女性)

〖介護付有料老人ホーム トラストガーデン東嶺町 ご入居者〗

■第23回入選作品

棋士よりも 菓子が気になる 名人戦

カジ(東京都、76歳、男性)

脱マスク よけい分からぬ 誰だっけ

竹内照美(広島県、67歳、女性)

自己紹介 名前、出身 趣味、持病

ナッケウ(京都府、61歳、男性)

5時起床 7時散歩で 9時昼寝

バンクマ(茨城県、66歳、男性)

同窓会 アルバム持参で 顔認証                                                                                          

                             シルバーマン(滋賀県、70歳、男性)

どうしよう 昔のことも 忘れてる

クルミ(大阪府、75歳、女性)

髪の毛が 許可なくどんどん 離脱する

                             若松智美(神奈川県、52歳、女性)

宿題を 孫に頼まれ 闇バイト

天和(群馬県、65歳、男性)

翔平か 朗希にしよう 孫の名は

あおちゃん(東京都、50歳、女性)

断捨離の リストに載せるな 俺の名を

小林晃博(長野県、69歳、男性)

免許より 夫返納 したい妻

ハルル(東京都、70歳、女性)

そう言えば 妻も何度も 変異した

ぽん太(兵庫県、66歳、男性)

どの顔も 詐欺師に見える インターフォン 

井原理美子(東京都、71歳、女性)

古稀過ぎて トイレの回数 異次元へ

       染川染幸(岐阜県、71歳、男性)

最近は 神も仏も そばにいる

おたふくまめ(神奈川県、60歳、女性)

AIに 冥途の行き方 聞いてみる

安藤一明(長野県、38歳、男性)

国葬は しなくていいと 遺書に書く

すぎやん(愛知県、65歳、男性)

樹木葬 スギとヒノキは 避けてくれ

相野正(大阪府、73歳、男性)

初サウナ ととのうはずが 脈乱れ

福永敬子(北海道、56歳、女性)

痛いのは こことあそこと あら全部

けんちゃん(岐阜県、59歳、女性)

 

■応募状況

<応募総数>11,083作品

<応募者年齢>平均年齢:66歳 最年長:108歳(女性) 最年少:11歳(男女とも)                 

<応募者男女比>男性:64.6%  女性:34.9%  性別不明:0.4%
年代構成比において、今年は40~64歳の応募が昨年に続き3割を超えました(対前年比+0.7%)。男女比では、男性が64.6%、女性34.9%と、昨年に続いて男性の応募割合が増えています。40歳未満の応募者は全体の6.0%で昨年よりやや少なくなっているものの(-3.8%)、シニア世代の様子を的確に表現した句が多く寄せられています。
 

■題材について

 新しいキーワードと日常生活の巧みな結びつき

特殊詐欺などのニュースでよく耳にする「闇バイト」、政治改革の旗印のようになった「異次元」のほか、「顔認証」「離脱」「AI」といった時事的なキーワードを、日々の暮らしで感じている「老い」と巧みに結びつけた作品が多く寄せられました。

同窓会 アルバム持参で 顔認証

髪の毛が 許可なくどんどん 離脱する

宿題を 孫に頼まれ 闇バイト

古稀過ぎて トイレの回数 異次元へ

AIに 冥途の行き方 聞いてみる


共感を呼ぶ加齢ネタ、夫婦ネタは今年も健在

題材別データでは、今年も1位「日常生活」、2位「肉体、知力の衰え、老化」、3位「身内、家族全般」となっており、体の不調や物忘れなどの加齢をテーマにしたものや、老後の夫婦の姿を描いた作品が目立ちました。ユーモアたっぷりにシニアの日常を五七五に詠み込んだ作品は、多くの人の共感を呼びそうです。

自己紹介 名前、出身 趣味、持病

どうしよう 昔のことも 忘れてる

痛いのは こことあそこと あら全部

免許より 夫返納 したい妻

断捨離の リストに載せるな 俺の名を

 
注目の出来事、人物、流行を織り込んだ作品も

将棋では藤井聡太棋士のめざましい活躍、野球界では大谷翔平選手や佐々木朗希選手らの記録に注目が集まっています。そんな出来事や人物が取り上げられたり、「樹木葬」「サウナ」など流行のキーワードがうまく織り込まれた楽しい作品も多く寄せられました。

棋士よりも 菓子が気になる 名人戦

翔平か 朗希にしよう 孫の名は

樹木葬 スギとヒノキは 避けてくれ

初サウナ ととのうはずが 脈乱れ

 

《 YouTube 有老協チャンネル で入選作発表動画を公開! 》

今年度の応募状況や作品の傾向、有老協・シルバー川柳の成り立ちなど、担当者が説明しています!

是非、ご覧ください。

第1回~第23回の入選作、シルバー川柳作品使用に関するご案内はこちら

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